91歳男性 昨年末心臓にペースメーカーをつける手術をした患者さん。
以前から月に1回程度来院。
退院されて今年の1/17、久しぶりの来院。
その後、2週間に1回のペースで来院。
しかし、ここ最近徐々に呼吸が荒くなっていっている。
体調も悪そうで、1か月前ぐらいだったか、急に意識が飛び、倒れたため病院に、
脳の検査で異常なしだったそうだが、
呼吸の荒さから見て、循環の問題で、脳に酸素が不足したためのように感じる。
ここ3週ほど毎週来て頂いているが、なかなか呼吸が落ち着かない。
年齢と体調、呼吸の荒さなどから、もう難しいのかなどと、いやな考えが頭をかすめる。
しかし今日の施術中に、ふと4~5年前に習ったリガメンタスというテクニックの肋骨アプローチを使ってみた。
実は習ってから、今日までこのテクニックはほとんど使わなかった。
以前は、うつ伏せや横臥位で、肋椎関節などへ拇指押圧などのアプローチ、あるいはアジャスト的なアプローチをしていた。
しかし、この患者さん、左胸にペースメーカーを取り付けたため、あまり腹臥位での肋骨への刺激はできないし、そもそも苦しい。
そこで思い出して使ってみた、これは仰臥位で肋骨の下に手を入れ、肋骨角を同側の肩関節方向にテンションかけてすべればOKというふうに習った。
これなら負担は少ないだろうと、やってみた。
左肋骨角を下から触りながらリリースしていく。
その際、テンションを肋横突関節とともに胸郭内がゆるむようにイメージして行った。
すると、久しぶりに呼吸が穏やかになってきた。
そして施術が終わって立った時に、久しぶりに明るい表情を見た。
それが何よりうれしかった。