昔、施術を習い始めた当初は、硬い組織に対して押していた。
まるで硬い粘土を押すように、ほぐれなければもっと強くというように。
今思えばなんと恐ろしい、事故が起きなかったのが不思議なぐらい。
まあ、そんなだからお客さんもあまり来ないし、来ても知り合いとかその延長でしかない。
おそらく痛い思いをし、楽にもならないので来なくなった方が大半だろう。
徐々に、いろんな勉強をしわかってきたのは、硬くなっているのは命ある生きた組織だということ。
刺激に対して反応するので、強く押されれば体を守るためにより硬くなるのは当然だ。
そんなこともわからずぐいぐい押していた。
考えてみればこんな大事なことをなぜ教えていなかったのだろう。
オステオパシーのセミナーを受講するまで、はずかしい話ですがわかりませんでした。
それまでも経験値として圧の強さの調節はするようになったきてはいましたが、明確にいまどの組織に対して刺激するのか、筋膜なのか靭帯なのか骨膜なのか内臓なのかなどがあいまいで、だから当然強さ加減もあいまいになっていました。
だから組織がゆるんでくる感覚もわからず、ただ痛い所や全身を押していき終わったところでなんとなくやわらかくなっていたり、あるいは硬いままだったり、何がよくて何が悪かったのかよくわからなかった。
それが少しずつ今何に対して刺激したいのかが明確になるにつれどのぐらいの強さ(深さ)でどの方向に組織のバランスをとればいいのかがわかるようになってきました。
もちろんまだまだ修行中です。
今でもたまにお客さんから、そこ痛いと言われることがあります。
でも昔とくらべると、ずいぶん力を使わなくなりました。
でもそれは刺激が弱くなったというのとは違います。
たとえば大腿部とか上腕など長管骨のある部位や骨盤、肩甲骨などのうえから押圧でほぐすときに、ただ垂直に押し込めば骨にはさまれ筋組織は押しつぶされるようになり痛いだけです。
だからといって痛くないところまでで止めても効きません、そこから今度は前後左右回旋などの横方向に動かして筋膜などに最適なテンションをつくることで組織が反応しゆるんできます。
だから痛くないけどちゃんと効いてるというのが理想です。
体が喜ぶ刺激ができるよう日々奮闘中です。