以前、食べ過ぎで書いた60代男性、その後。
10年前からの慢性腰痛。病院の痛み止めでしのいでいるが、痛みがどんどんひどくなってきたので、どうにかしたいと来院。(特に左臀部に強い痛みとしびれ)
初回が7月27日、ちょうど2か月が過ぎた。
最初、週2で通院。
初診時、腹部全体がパンパンだが、特に胃(慢性胃炎でした)の問題が強い。
施術して痛みが取れたものの、その日の夜にはまた痛みだす。
次回施術日には、また腹部、胃がパンパン。
それが何回か続く。
患者さんの顔が、あきらかに(治せないのかと、がっかりと不満が入り混じった表情)になっている。
これは生活習慣(特に食生活)の問題が強そうだったので、そこを改善しないと治りそうにないと判断。
そこで1週間だけ、毎日通院してもらい、その間に食生活の改善を理解してもらうように努めた。
まず食べる量を減らしてもらった。(このくだりは以前にも書いたが、毎日3食どんぶり飯で腹いっぱい食べる、さらに寝る前にインスタントラーメンを食べたりする)
現在一番問題が強いのが胃なので、まず胃の負担を減らすため量を減らしてもらうよう伝える。
次の日、量を減らしたら腹が減るから、おかゆにして量増しして食べたという。
いや量が多いのが問題で、腹いっぱいにすると胃に負担なので、お腹いっぱい食べないようにと指示。
次の日「先生、考えたんじゃけどご飯の量減らしたら腹が減るから、コーラやサイダーをいっぱい飲んで腹膨らまそうかと思うて、、」
僕「それじゃ食事減らす意味がないから、ぜったいやめて。とにかく腹をふくらますのがダメなの」
患「あ~そうなの、わかりました」
ここまで来るのに3日かかった。
そしたら次の日「先生、どうせ腹減るから昨日から、なんも食べてない」
また極端だなと思いつつ、まあ今負担が強いから、少し絶食しててもいいかと、そのまま続けてもらう。
結果、3日半ほど食べなかった。
そこから急にたくさん食べたりしないよう注意してもらう。
でもこのころから徐々に体は改善し始める。
なによりパンパンだったお腹が、まず少しずつへこみだし、痛みしびれも軽減し始める。
1週間すぎてまた週2ペースに戻し、通院。
その後もいろいろやってくれます。
患「先生、考えたんじゃけど、ピーナッツとかつまむと腹持ちがいいから、ピーナッツやナッツチョコ、たくさん買ってきた。
僕「もうピーナッツとか消化に悪いから今はやめて」
患「ごはん少なくしてるから、栄養とるのに牛乳多めに飲むようにした」
僕「たまに嗜好品として飲むのはいいけど、健康のために飲むのならやめて」
そんなこんなしながらも、少しずつ改善。
さらに職場で、
患「先生、この前から腰の調子がすごい良かったんじゃけど、今日仕事中に、物を棚に移動するんじゃけど、脇腹の肉をとろうかと思うて、物をもって腰をねじって棚に置くように作業したら腰が痛くなった」
僕「物をもって腰をねじる動作は腰に凄い負担がかかるからしない方がいい。かならず持ったら体ごと向き変えるようにして」
まあこんな調子で、毎回少しずつ、余計な負担を減らすよう指導しながら、少しずつ変化している。
最初のうちは、こんなにも健康に対して知識(意識)が低いのかと、すこしあきれ気味でしたが、この方ちゃんとこれはダメだと言ったら、けっこうちゃんとそれ自体は守ってくれています。
昨夜来院した際(26回目)は、前回までより、またさらにお腹も引っ込み、腹部全体の張りはもうほとんどない。
まだ少し胃や腎臓など個別の臓器に硬さはあるものの、かなり良くなってきました(痛みしびれもまだ少し出ることがあるが、全然楽になったそうです)
やはり長年の慢性的な痛みの改善には生活習慣の見直しも大事になってきます。
この方は、たんに知らないだけでした(たくさん食べたほうが良いと思っていた)
知らないでやってることってたくさんあるようです。
この前来院されたアレルギー、アトピーでお困りの方は体質改善したいとのことでしたが、食習慣を聞くと甘いものとかポテトチップスとかよく食べるという。
聞けば「甘いものとかポテトチップスとか、病院の検査でアレルゲンではなかったので、自由に食べてます」とのこと。
まあそれはさておき、上記のように
食習慣の見直しや、定期的に施術を繰り返すことで痛みの軽減、改善は可能です。
もし今、なかなか治らない腰痛などでお困りなら、ぜひご相談ください。