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極真空手

中学3年生の時、倉敷駅前、当時西ビルと呼んでいた2階の本屋で、衝撃的な表紙に目が釘付けになった。襲い掛かるトラに空手家が蹴りを出している絵である。

中学生ながら、そんなことはないだろうという思いと、あったら凄いなと気になり、手に取った。

タイトルは「大山カラテもしたたかわば」

トラと戦ってはいなかったが、プロレスラー、ボクサー、牛、クマetc.などいろんなものと戦った話がのっていた。

今ではそれらのほとんどがウソだと知っているが、当時の僕は凄いものを見つけたと思った。すぐ高校受験がひかえていたので高校生になって習い始めた。

ケンカに強くなりたいなどの普通の理由ももちろんあったが、本を読んだ中学生の自分はこれをならえば1年後の自分はジャイアント馬場に勝てると思ってしまった。猪木は無理だが馬場よりは強くなれると本気で思っていた。本当にバカである。

もちろん、習い始めて一か月もする頃にはそんなことが無理なのはわかったが、突いたり蹴ったりするのが思った以上におもしろく、また最初の昇級審査で普通、8級なら6級、5級なら3級にと2級分昇級するのがほとんどだった中で、白帯の無級から6級に3級分昇級になったのがうれしくて、夢中になりますますがんばるようになった。

それまで自分が他人より認められるようなことがなかったため、この空手では他人に負けたくないと思ってしまった。

1年後には弟まで始めてしまった。運動センスは僕より圧倒的に上の弟である。

しかし空手ではだれにも負けたくなく自分にはこれしかないと思い始めてもいたためますます努力した。

結果的にそのおかげで上達したと思う。しかし数年後には抜かれてしまった。

ゆるを始めた時も、1年遅れで弟も始めた。自分が進めたせいだが、おかげでより努力し上達もした。がやはり抜かれてしまった。

今、整体をやっているが弟はやっていない。目の前にライバルがいないと、あの頃にくらべて必死さにかけているなと感じるしだいである。

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