その昔、空手をやっていたころ、今思い返すと自分はなんてへたれだったんだと思う。
当時、全国大会などに出場しても、格上(ベスト8常連のような選手)と思われる選手には勝てなかった。
逆に格下(勝手に僕が思ってるだけ)の選手との試合を取りこぼすようなことはなかった。
そんな中、僕が1,2回戦で勝った相手が、すぐ次の試合でいきなり全国で名を成すようになった。
いや、2人ともに、冷汗かくほど強かったんですが、何とか勝てた。
なんで勝てたかというと、僕と試合する段階では、まだ有名じゃなかったため、僕の中で(ここは負けてはいけない相手、勝てる相手)と思って試合に臨んでいたからだ。
だから試合が始まり、予想以上に強くてびっくりしたが、勝てる、負けてはいけない試合と思って臨んでいたため、何とか対抗策を思い付き勝つことが出来た。
逆に後に世界チャンピオンとなる有名な選手との試合では、試合中盤まぐれで僕の前蹴りが意表を突くように入り効いたようだ。
あとでビデオで観ると千歳一隅のチャンスなのだが、攻めきれず延長に入り盛り返され負けてしまった。
今考えれば、あの大チャンスでなぜ畳みかけることが出来なかったのは、僕の中で勝てる相手とは思っていなかったからだ。
結局、やる前からこの試合は勝てる、この試合は善戦できても負けるだろうとの思い込みのままになったわけです。
おそらく僕が勝った2選手が、僕と試合する前に有名になっていたら、負けてもしょうがない相手と思って試合に臨み、負けていたと思う。
結局、自分が思っている通りになるというのは本当だなと。
治療の時もいっしょだ。長らく自分の力はこんなものと勝手に決めつけ、ちょっと難しそうな症状だとれは無理だなとか、あのテクニックが出来ないから、あの検査が出来ないから、とか勝手に決めて治せなくても仕方ないと逃げていた。
しかし昔のこの教訓を思い出し、今はどんな症状であろうと、まずは患者さんとしっかり向き合い、今出来ることの中から解決策を見つける。
そう、昔の試合で勝てる、負けないと思って臨んだ試合は、勝つ方法を見つけることが出来たように(逆に、これは勝てない相手だなというヘタレ根性が出ないように)自分に言い聞かせています( ̄▽ ̄)