国家の闇ー日本人と犯罪<蠢動する巨悪> 一橋文哉(ジャーナリスト)を読んだ。
この本は、警察庁長官狙撃など一連のオウム真理教事件やロッキード事件、リクルート事件、金大中事件、グリコ森永事件、下山事件、3億円事件、豊田商事事件、振り込め詐欺などの背後で蠢く政治家、暴力団、右翼、左翼、CIA、KGB、北朝鮮工作員などとの関係について、そして犯人が捕まっていなかったり、犯人こそ逮捕されたものの、真相はいまだ謎に包まれた未解決事件にも言及し、なぜ迷宮入りしたのかを探るといった内容でした。
ニュースだけ聞いてたんじゃわからないような事件の背景など、いろいろ興味深い内容でした。
なかでもわりと身近な感じのする、振り込め詐欺については、ニュースなどを見ているとなんでそんなのに引っかかるかなあと思っていましたが、これを読むと被害が後を絶たないのもわかる気がする。
あるグループの特徴は、それぞれ得意分野があり、元劇団女優、元マルチ商法営業マン、パソコンおたく、元闇金、声優経験者、元キャッチセールス勧誘員、元占い師、有名私大法学部を卒業したエリート、元京都家裁書記官、保証人提供屋、偽装結婚斡旋業者、個人借金解消コンサルタント、運転免許証や各種書類の偽造に手腕を発揮する印刷職人、豊富な人脈から名簿集めに強い中年サラリーマン、元精神科医、元高校教師、弁護士などが常に新たな手法を考え、また騙されやすい人間を選んで行うのだから、引っかかる人が後を絶たないのも無理はないかと思ってしまう。
その他の事件についても読んでいると、下手に権力や地位、資産など持ってないほうが幸せなんじゃないかと感じてしまった。
非常に興味深い本でした。