この時点で感じている壁は、テクニックの問題ではない。自分自身のコントロールの問題である。
クラニアルでちょっと強すぎると感じ、少し弱める、とここを微妙に調節しようとすると手が震えることがある。
これはオステオパシーの講座で、細かくバランス点を作るときにも、起こることがよくあった。
ようするに微妙な力加減をコントロールしようとすると、しらずしらず力みが出て緊張し痙攣するのだ。おそらく、なんだかの心理的ブロックがあるのだろう。
もちろん、いつもではないが、いい結果を出したいと思うとき、え~かっこしようとしたとき、まあ若くてきれいな患者さんの時など、とくにそうである(≧◇≦)
まあ、とにかく自分自身の問題だ。ここをどうにかしないと。
とりあえず本棚に昔、オステオパシーの講座を受講していたころに買ったクラニアルの本が何冊かある。そういうことについて何かヒントはあるだろうかと読んでみた(なにより結構な値段がしたのに読んでないのはもったいないというケチ根性もある)
読んでみると、たしかにテクニック以前の術者の在り方についても書いてある。
「静かに座り、自分の肉体が落ち着いて、気持ちが澄んでくるのを待つ。深い静止を待って、それから始める。」
「現時点に意識の焦点を向ければそれだけ、時間の感覚はよりゆっくりになり、頭蓋運動の知覚がいっそう大きくなる。これが「より大きな自分」という、拡張された意識である。この意識の中で、それぞれの体に何が起こっているのかを見るのである。通常の意識でそれをしようなどとしてはいけない。」
「プレゼンスはテクニックなどよりもはるかに重要である。初心者はもっともっととテクニックを学びたがるが、熟練の域に達するとテクニックは1つでよくなる。」
「患者の頭に触れる許可をもらい、手をその人の頭に置いて待つ。頭がすべきことを語りかけてくるまで待つのだ。何もするなと言うのなら、何もしてはならない。」(ザ・ハート・オブ・リスニングより)
なんかすごい良くわかるような気がするのですが、じゃあ出来んのかと言われると、難しい。だいたい気持ちが澄んでくるって、けっこう難しいですよね。
「自分の中心線に基礎を置き続けることで、直観ー論理意識の体験に必要な内なる安定性を保つ。この安定性がバイオダイナミックなクラニアル・ワークのさらに深いレベルに降りていくのに必要な確固としたプレゼンスを保つための、内なるトレーニングの始まりである。」
「合理的な心は体験したことにすぐに疑いを差し挟み、「科学的には、どんな時でも1つの場所には1つの事象しかあり得ないから、これは現実ではない」と抗議してくるだろうから、垂直的なグラウンディングのスキルーあるいは中心線認識ーは、直観ー論理意識の中でプレゼンスを保つために不可欠である。」(スティルネスより)
どうやら中心線とかグラウンディングという言葉が出てきた。これについて詳しくはわからないが、自分の知識の中で使えるものとして、以前高岡先生のところで習っていたセンター、地芯の概念でいけそうだ。
しかしセンターや地芯は普段から意識しようとしているんだけどな、何かが違うのか?
なかなか答えに辿りつかず、これはいったん置いといて、もうひとつのコンプレックスの解消に取り掛かる。
以前、オステオパシーのセミナーを受講していた時に、よく下村会長が「技術的にどんなにヘボでもいちおう国家資格を取った人間は、基礎医学を勉強している。そこが無資格の整体師なんかとは全然違う」といっていた。
それを聞いて、よーしあの分厚い生理学書や発生学や病理学書など、買った。
よーし、負けないぐらい勉強してやる。と意気込んで、読み始める。挫折。
この本が読みにくかったんだな。ちがう生理学書をまた買う。挫折。
何冊も溜まったが、結局、全然読めていない。(これもセミナージプシーと一緒だ(ToT)/~~~)
また読んでみようとチャレンジする気になったのは、テレビで東大生の番組をやっていて、そこに医学部生は分厚い病理学などの専門書がノルマが1年で60冊と言っていた。
すげ~、1年で60冊。約1冊につき5日で読めるのか?
なぜか、これでやる気になり、せめて1冊は全部読んでみようと決めた。今まで何回も挫折したが、今回こそはと。
それに内臓やクラニアルテクニックを使う上で、体の機能をもっと知っておくべきだなと。この知識が浅いから、自分で考えるといっても材料が少なくて考えるにつながらないのかもしれない。
しかし、いざ読み始めると進まない進まない。1時間で2ページとか3ページしか進まなかったりする。そう用語がわからずなんだっけと行ったり来たり。
なかなか進まないんで、それまで書いていたブログをやめることにした。けっこう書くのに時間がかかっていたので。今回はぜったい途中で挫折したくなかったので、その時間も生理学書を読むことにした。
徐々に読むスピードも上がっていったが、結局読み終えるのに9か月もかかってしまったが、とりあえず読み終えた。達成感だけはありました。