ナイター見ながら酒食らう生活が4年ほど続いた。
内心このままじゃまずいなと感じながらも、何をしていいかもわからずダラダラしていた。
この間の生活は、まず並行してやっていた家業は、三菱自動車の孫請けのさらに下請けの仕事。
当初はかなり景気がいい時期もあったが、三菱の不振にともない徐々に仕事は減っていき、とうとう僕と弟の二人もいらないということで、ぼくは整体のみになった。
大変であるが、まだ実家の一室を使っての施術。僕と美子さんの間に子供は出来ないので、まずそれほどの生活費が要らなかった。
それと、以前に書いた組事務所(またそれ系の雀荘)への出張整体(ここは割と高単価で頂ける)
さらに、たいした腕はないけれど、わりと長時間しっかり刺激するスタイルを好むお客さんもいるもので、なんとかなっていた。
このなんとかなるというのが曲者で、なかなかこのままじゃよくないと思いつつ、動こうとしない。
そんな時だった。あるダイレクトメールが届くようになる。JOPAとある。開けてみると、どうやらオステオパシーというアメリカの徒手医学のようです。
中身は読めば、すごそうなことが書いてあります。当然興味はあります。が受講資格に国家資格保持者とあるので、無理だなとスルー。
しかし、2度3度と届き、3度目で受講資格の下の方に資格のないものは、会長の許可がいるとあるから、思い切って電話してみる。
どうやら職員の方が出て、たしか開業して5年以上経営してますかと聞かれたと思いますが、自分では、今の状態をとても経営とは言えないが、ここはそのまま乗っかろう。はいと答え、受講しても良いことになった。
受講してみて、知らない言葉がいっぱい出てくる。小脳テントだ、鞍隔膜だ、何それ。
会長は、「小脳テントがわからんようなもんは、本来この講座受けたらあかんのやで!」
マジか!それから解剖書を買いあさり、知らなかった部位を把握していく。
また、目的の部位に触れないと話が始まらないので、触診の本も買って細かい部位も触れるように練習する。
やっと、ここに至って初めて少し勉強らしいことをするようになった。背骨の1個1個バラバラの模型を買って、目隠しして触るだけで胸椎7番とか当てられるようにする練習なんかもやりました。
また筋膜、関節などの組織に、テンション集めてリリースする感覚とか、今まで僕がちゃんとできていない、しかし大事な基礎的なことを勉強しました。
ここで、勉強するようになって、今までただラインに沿って指圧したり、硬いと感じるところを押したりしていただけだったのが、同じ押していても、今は筋膜を、今は骨を通して靱帯にとか、ちゃんと組織を狙ってやるようになり、また関節の矯正などもやるようになったおかげで、今までよりもずいぶん治療効果が上がってきました。
しかし、またまた壁がやってきた。セミナーでは出来ても、いざ自分で患者さん相手となると、なかなかリリースしない。
今なら、わかるのですが、当時のお客さんには、それまで強い刺激で施術していたから、つい強くなってしまう。ちょうどいいテンション、バランスをとろうとするのだが、知らず知らず強くなっていった。強すぎると、当然なかなかリリースしない。解放されない。
すると筋膜や靱帯などの組織がゆるんでこない。結局前といっしょで、強く刺激しただけでおわる。これに当時は気づかなかった。
すると迷いが出てくる。そう、この頃はもうパソコンも持ち、インターネット上でいろんな情報が入ってくる。
そう、見聞きする他のセミナーが、もしかしたらすごいことやってるのかもと考えだす。
そしてBRM療法とFOAセミナーと2つのセミナーを受講した。
どちらも、それなりに為になったし、面白い情報もたくさん聞けた。
しかし、まだ肝腎の僕の刺激が強すぎる呪縛から抜けれないため、大きな変化は訪れない。
そしてまたまた迷走が始まる。そうこの頃から、頻繁に目にするようになった施術DVDだ。
1本買うと、他の宣伝が。それもすごそうだ。買う。また別の宣伝。買う。
気が付けば1年とたたないうちに、DVDだけに80万円も使っていた。
こりゃいかん。DVDだけではわからないことも多い。買った数々のDVDの中から、なにか直接セミナーを受講してみよう。
DVDの中から興味をひかれたのは、DRTと井上式肋骨矯正、そしてNSTです。
インターネットで検索したところ、たまたま一番日程が近くで、受講場所も大阪と手ごろだったのがNST研究会がおこなうアトピーセミナーというものがあった。
これが僕にとって大きな転機となります。